「「維新」の戦略・松井一郎氏」
「「維新」の戦略・松井一郎氏」
毎日新聞(2013年4月26日、大阪本社版、13面)に「「維新」の戦略」という松井一郎・大阪府知事のインタビュー記事が掲載されていたので紹介します。このインタビュー記事には松井氏のチェックが入っていると仮定した上でコメントします。
1)(伊丹市・宝塚市長選での維新公認候補者落選を受けて、)<選挙結果は、大阪以外でまだ基礎体力がないことの表れです。ただ、どの政党も空中戦プラス地上戦があります。空中戦は発信力のある橋下代表でいくが、地上戦をやる足腰を鍛えるためにも、同じ価値観を持つ人を増やしていくしかない。>
「基礎体力」云々の問題ではなく、ただ政策が受け入れられなかっただけでしょう。これが「民意」ではないのでしょうか。
2)<全てを国がやるのではなく、ニア・イズ・ベターで基礎自治体がしっかりやらないと、この国はもちませんよ。だから道州制なんです。>
ニア・イズ・ベターなら市町村の権限・財源を多くするべきで、それは都道府県のままでも出来ます。ニア・イズ・ベターと都道府県を道州制にするのとは無関係・別次元の問題です。「だから」という接続詞の使い方が変です。
3)<都道府県知事の圧倒的多数は道州制に反対です。国政選挙になるとどの党も「道州制やります」と言うけど、全国の知事、市長が反対すると国が一挙に決めることはできないというのが92条なんです。>
都道府県知事の圧倒的多数は道州制に反対しているのなら、それが民意です。「どの党も」との事ですが、赤旗・日本共産党は道州制にかなり強く反対しているようです。
4)<国会で新たな統治機構の枠組みを決めたら、地方はそれに沿った形に変わるように92条を改めるべきです。>
統治機構という部分的とはいえ、都道府県知事が「地方自治の本旨」(団体自治)という原則を否定するような発言です。
5)まとめ
私はそもそも統治機構を変えれば良くなるという発想自体に反対です。そして、道州制を実施するための憲法改正に反対します。憲法を改正しなくても、多くの都道府県や市町村が道州制に賛成すれば変えられます。このインタビュー記事では「大阪都構想」の話題は一切出てきません。苦労して大阪都にした直後に道州制にするって、何なのでしょうか。まあ、橋下氏の操り人形の松井氏を批判しても仕方が無いのかも知れませんが。
おわり
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