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2014年12月11日 (木)

「オプティミストはなぜ成功するか」

「オプティミストはなぜ成功するか」

 

「オプティミストはなぜ成功するか」(マーティン・セリグマン、講談社文庫、1994年、629円)を読んだので感想を書きます。

 

1)例えば学校の生徒やスポーツ選手は、「悪い成績を取る→自分は駄目だと悲観的になる→さらに悪い成績になる」という悪循環になりがちです。不幸な出来事に遭遇した時の説明スタイルが「永続的、普遍的、個人的」な人は悲観主義であり、学校や仕事の成績が振るわなかったり、免疫が下がり病気になる確率が上がったり、選挙の結果にまで影響するそうです。本書の原題は「Learned Optimism」、つまり「学習された楽観主義」という意味です。これは悲観主義の人も学習(訓練)すれば楽観主義になれる事を意味します。本書では、具体例を用いて「困った状況」「思い込み」「結果」「反論」「元気づけ」を行う方法も示されています。ただし、この具体例がいかにもアメリカ的なものが多いので、日本社会に合う様に自分でアレンジしなければなりません。

 

2)楽観主義だから良い成績になるのではなく、良い成績だから楽観主義になるのではないか、という批判があり得ます。

この批判に対しては、著者は楽観主義が勝利を招くのであり逆ではないと答えています。その理由として野球チームのある年の楽観主義が翌年の勝利につながる、プレッシャーのかかった場面で威力を発揮する事を挙げています(P226)。

なお、著者は悲観主義が悪いと言っているのではなく、悲観主義者の長所も書いています(P358)。そして著者は無責任な楽観主義ではなく、もともと悲観主義の人が(訓練による)楽観主義を取り入れることによって、選択の幅が広がるという「柔軟な楽観主義」を提唱しています(P397)。

 

3)楽観主義の人が上手く行くのは、アメリカの文化圏の中だからなのかも知れません。著者は、アメリカの発想をそのまま日本に持ち込んでもうまくいくとは限らないと問題提起していますが(P280)、本書ではそれに対する明確な答えは書かれていません。

自分の失敗を他人のせいにしたりすると、日本ではかなり自己中心的な人物だと思われる可能性が高いでしょう。しかし、それも程度の問題だと思います。この本を読む人はどちらかというと悲観的で内罰的(エヴァンゲリオンの碇シンジを思い浮かべました。)過ぎる人でしょうから、内心で少しくらい他人(環境や相手)に責任を転嫁してもそれほどの害はないと思います。

 

4)仕方がないのかもしれませんが、翻訳なので英語独特の表現があり読みにくかったです。あと活字が小さいので読みにくかったです。

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