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2015年11月14日 (土)

「近代精神医学の成立 「鎖開放」からナチズムへ」

「近代精神医学の成立 「鎖開放」からナチズムへ」

 

「近代精神医学の成立 「鎖開放」からナチズムへ」(小俣和一郎、人文書院、2002年、2300円)を読んだので感想を書きます。

 

1)フランス革命後に行われた有名なピネルの精神病者の「鎖からの解放」について、ピネルが初めて解放した訳ではなく、鎖からの解放はあの時代には良く行われていた事だそうです。それなのにピネルだけが有名になった理由について、著者はフランスの高揚した先進国意識がピネル再評価の動きとなり突出して行ったと見ています(P48)。フランスが自国の先進性を他の国に示すためにピネルの解放を事後的に利用したという事です。

また、フランス革命後の自由・平等・博愛という精神から患者全員を解放したのかと思っていたのですが、違うようです。患者全員を解放したのではなく、解放しても良い患者(安全な狂気)と解放しない患者(危険な狂気)を識別し、解放しても良いと判断された少数の患者だけを解放しただけであり、残りの大多数の患者は繋がれたままだったそうです。

 

2)第6章において「日本の近代と精神医学」(P156からP174まで)について書かれています。明治維新における精神医学の近代化から優生学・731部隊までかなりコンパクトに圧縮されていて物足りない感じですが、本書のメインのテーマではないので仕方がありません。

 

3)精神医学が直線的に発展してきたのではなく、神経学や細菌学との関係、精神病院と大学精神科の対立、学会での派閥の優劣、戦争や政治など様々な事柄の影響を受けて複線的に発展してきたという事が良く分かります。世界史に詳しくない私からすると初めて見る人名等が出て来るので全体的にかなり読むのがつらかったです。向精神薬の副作用や患者の身体拘束など現在の精神医学の問題点については書かれていますが、それに対する解決法などは特に書かれていません。題名通り「近代精神医学の成立」について一通り知ることが出来る本です。

 

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